柚子湯

猫をこよなく愛する共働き夫婦の日常

奨学金を一括返済した話

最近奨学金が話題になっていた。

私の好きなYouTuber瀬戸弘司さんも滞納していた奨学金を一括返済したらしい。


瀬戸弘司の「奨学金返済物語」第1部 〜弘司の青春〜

 

今日は私の奨学金の話。

 

地方から大学進学のために出てきて、一人暮らし(というかルームシェア)をしていた。

大学の時は、利息ありの奨学金しか選べず、その後の2年は利息なしだが額が多かった。

親が学費と家賃を出してくれたが、月々の生活費の足りない分を奨学金とアルバイト代から支出するというような感じだったと思う。

 

同級生は奨学金をもらっている人が多くはなかった。

もらったけど、生活には使わず卒業旅行に使ったり、卒業時に一括返済して報奨金をもらったなんて人もいて、驚きだった。

今思えば実家通いだったり、家が裕福だったり?そんなにお金に困っていなかったのでしょう。

うちは地方のサラリーマンの家庭で、別に貧しくはなかった。

でも今はわかる。子どもに一人暮らしさせて大学に行かせるのは大変だ。

そして、数十年にわたる月数万円の返還は重いということも今はわかる。

若い時は分かっていたようで、わかっていなかった。

お金がないギリギリの生活が当たり前だったし、何ももっていなかったから。

 

たいして勉強がすきでもないのに追加で2年も大学に行ってしまったので、卒業した時点での奨学金は数百万、毎月3万5千円くらいの返済額になっていた。

 

卒業後もちゃらんぽらんな私は危うくフリーターになりかけたが、ぎりぎりのところでブラック企業に有期雇用社員的な身分で就職した。

入る前から安月給かつ労働環境がブラックなのは分かっていたので、古めの家賃激安アパートに住みつつ、それなりに適応して働いた。

奨学金はその安月給の中からほそぼそと返していた。

何も買わず、学生の時から貧乏で当たり前なのであまり苦労とも思わなかった。

 

転職して、引っ越しを機に学生時代から付き合っていた人と結婚して一緒に住むことになった。

私がラッキーだったのは、オットも同じく奨学金を背負っていた人だったことだ。

もしちがう人と結婚しようとして、私だけが数百万の借金があったら、すんなりといくだろうか?

結婚はできたとしても、奨学金を返し終わらない前に子どもができて、仕事ができなくなったらどうしたのだろうか。

オットに返してもらうのだろうか。それとも待ってもらうのか。

一体いつまで?その頃には自分の子どもの教育費が必要なのでは?

 

とにかく、私達の場合はお互い様ということで?私達も両家も特に奨学金を問題とせず、すんなりと結婚生活がスタートした。

最初の数年は生活レベルを急にあげてしまい、またオットの長期にわたる病気などもあり、余裕のない家計でやっぱり細々と奨学金を返していた。

 

転機は数年後に訪れる。

家賃のやすい家に引っ越して、家計を見直し、車も廃車にした。

家計の見直しについては過去記事↓ 

yuzutaro.hatenablog.jp

 

支出が下がり、ずっと共働きを続けていたので、年収もすこしづつあがり、そのあたりから貯金ができるようになってきた。

そして、思い立った。奨学金を一括返済しよう!

 

オットのは無利子なので、有利子を含み、総額の多い私のから先に返すことにした。

全部返した時のATMと、完了のお知らせが届いた時の肩が軽くなるような気持ちは覚えている。

しばらくして返したことを知った母にも褒められた。親が全部出してあげれたらよかったのにと思っていたみたい。

私は十分に好きにさせてもらったし、自分の借金だと思っているし、

奨学金を借りたおかげで大学に行けて、その後の就職にもつながるので奨学金には感謝をしている。

 

でも、奨学金が長い将来に渡って生活の選択に大きな影響を与えるのは事実だ。

仕事を変えたり、結婚したり、引っ越したり、子どもを育てたり、もう一度学び直したり、長期に放浪したり?

いろんな人生の転機に奨学金は関わってくる。

奨学金があるのに大丈夫?って。

数百万は若者にとって、そんなに軽くない。

 

私はたまたま運がよく返せただけで、昔の私に会っても「高い家賃の家に住むな、生活レベルをあげず、身の丈に合った生活を続けなさい、できれば誰かと一緒に暮らしなさい、仕事は続けなさい」としかいいようがない。

運がよいのか悪いのか、いろんな転機をうっかり逃して来たから返せたともいえる。

転機は逃すと手に入らないこともある。

奨学金を返すための人生ではないのだから。

 

おまけ

猫の日だって?最近言いだしただけだにゃ!関係ないにゃー。