猫がおもらし!
糖尿病の猫がインスリンの投与で安定してもう2年になる。
最近はインスリンの量も減ってきて、それどころか尿糖も出ない状態が続いていた。
さて、8月の初めのある夜、布団の上でのんびりしていた私の上に猫が乗ってきた。
乗ってくるのはいつものことだが、なんだか様子がいつもと違う。
いつもは顔をこちらに向けるのに、おしりを向けている。
いつもは指をしゃぶりながら少しゴロゴロいうのに、しゃぶらずに、いつもより大きくゴロゴロいっている。
ゴロゴロって、機嫌のいいときにいうけど、具合が悪いときもいうんだよな‥とちょっと嫌な予感がする。
するとたまに口をクチャクチャしていて、ああ、これはなんか気分が悪いんだなと気づいた。
1時間くらいしただろうか。ウロウロしていた猫が、布団に寝ていた私に上半身を預けるように伏せたと思ったら、猫が密着しているところがすごく熱くなった。
???
何が起こっているのか分からなくて、飛び起きると、なんと私の上でおもらしをしていた。
うちの猫はいろいろ性格に難があるが、トイレの失敗がないのだけが自慢だった。
子猫のときにトイレを覚えてから、粗相は一度もないし、糖尿病の治療でフラフラになっていたときも、千鳥足になりながらもトイレに向かっていたくらいだ。
それなのに、こんなところで?!これは、完全に異常事態である。
慌てていたら、なんと布団から降りて、床にウンチもし始めた。
これはもう、非常事態宣言である。
気持ち悪がっていたし、変なところでオシッコとウンチをしたのだから、お腹に異常があるに違いない、なにか誤食をしたのかも‥
猫は横になって、早い息をしている。
しかし、もう時間は23時すぎ。
動物病院に電話をしたが、つながるはずもなく。
夜間も診療している県内の遠方の病院に電話をした。
状況を説明したところ、
「普通に便が出ていて、嘔吐を繰り返したりもしていないので、お腹になにか詰まっているというのは考えにくい。
ただ、電話だけでは原因まではわからない。」
開口呼吸をしていないか、舌が紫になっていないかを確認され、緊急度でいえば朝までまってかかりつけの病院に行ってもいいのではという見立てだった。
もちろん、連れてこれるなら診ることはできるけど‥というかんじ。
実のところ、夜中に猫を連れてその遠方の病院に行くのことは、車のない我が家にはかなり難しい。
まだ電話はつながるということだったので、いったん様子見をすることにした。
しばらく見ていると、少し音に敏感になって、頭を上にフラフラさせているような動きや、目をシパシパさせる様子が見られ、あれ、これはもしや低血糖なのでは??と気づいた。
2年前にケトアシドーシスの治療中に低血糖発作を起こしたときは痙攣していたので、シロップを歯茎に塗ったが、
意識があって食べれるならフードを食べたほうがいい、と前に聞いたことがあった。
でも気持ち悪がっていたし、どうかな思いつつ餌を口に近づけると、すごい勢いで食べた。
あ、やっぱり低血糖なんだ!とわかった。
それならばと、吐かないように様子をみながらせっせとえさを与えた。
いつもは手からあげても遠慮がちに食べる猫が、指まで噛むように食べるので、いつもは気を使ってくれてるんだなと思った。
食べて少しすると、立てるようになり、若干ふらつきながらも餌入れのところに歩いていって、自分でご飯を食べた。
呼吸も落ち着いてきた。
その後、朝まで特に具合が悪くなることもなく、朝は念の為インスリンの単位を減らして、病院で血液検査をしてもらった。
ところが。血液検査の結果、フルクトサミン(過去2〜3週間の血糖値の平均)は前回よりも高く、高血糖だった。
昨晩の症状は低血糖だと思うが、インスリンは減らすのは見送りに。
膵臓などの働きでインスリンが効きにくかったり、ムラがあるのかもしれない。
この発作が起きてから2,3週間たつが、今の所同じような症状はおこっていない。
でもいつ起こるのか分からず、特に留守中にご飯を吐いてしまうとその危険が高まるので心配だ。
夜中に遠方の病院に電話した時は、私が動揺していたせいで、糖尿病の治療中でインスリンを打っていることを説明していなかった。
この夜は夫くんが出張に出ていて、ひとりだったことも動揺の一因だった。
具合が悪くても言葉で症状を伝えられない猫が、必死で助けをもとめてきた結果がおもらしだったのだろう。
なかなか気づいてあげられなくて申し訳なかった。
そして、おしっこで濡れた布団‥
翌日風呂で洗ってみたんだけど。
布団は洗うもんじゃない。重くて死にかけた。
そして干したけど、型崩れして結局復活せずでした。
まあ、猫が元気ならいっか。